Disclosure Award 2022(適時開示アワード 2022)

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適時開示アワード2022 5位

5位:3808 オウケイウェイヴ 株主による臨時株主総会招集請求に関するお知らせ

エントリーNo. 1

銘柄コード:3808 オウケイウェイヴ

[PDF]株主による臨時株主総会招集請求に関するお知らせ

悪びれず食い物にされ続けた老舗Q&Aサイト

日本のインターネット関連産業について、その黎明期からご存じの人からすれば知らないはずはない老舗Q&Aサイト「OK WAVE」。

当社は2020年、MSCBによって調達した資金を活用して、暗号資産交換業者「LastRoots」を取得し、「フィンテック事業」に乗り出すも多額の赤字を計上。
これが重しとなって財務を圧迫し続けていた。

当該事業の継続を断念する一方で、株価下落に伴うMSCBの償還リスクも当然に顕在化することとなり、当社虎の子の事業でもあるソリューション事業を手放すこととなった。


そうして食い扶持を削ってまで得た資金は目先の投資収益欲しさに、Raging Bull合同会社(以下、R社)という得体の知れない自称投資業者に注ぎ込まれた。

R 社は大手ネット証券からIPOの特別枠を割り当てられたので、R 社に運用を委託すれば確定的な収益が得られるとして投資の勧誘を行っていた。

オウケイウェイヴ法務部はR 社について、「金融庁への登録又は届出が必要だが、何らの登録及び届出もなされていない」「契約締結前書面の交付もない」などといった当然の不審点を指摘し、取締役への投資中止の申し入れを行っていたが、当時のN 取締役はこれらの指摘に「ここで契約締結できなった場合の損失について責任が取れるのか」と返答。
当社取締役会はR 社への巨額投資へと突き進んだ。


もちろんその結果は法務部の懸念通りとなり、R 社の投資運用が架空のポンジスキームであったことをR 社自身が認めて破綻
一部の配当金以外の投資元本など、当社の純資産額の7割超がパーとなった。

当初は「投資の失敗は自身が責任を取る」と説明していた社内取締役もいたが、外部から招聘されていたH 社外取締役が「一身上の都合」で辞任した以外の動きはさらさら無く、しびれを切らした大株主が経営陣刷新を求めて臨時株主総会の開催を請求。
無事に開催されることとなった。


当社取締役会はこうした取締役らの責任を問う動きに対して、当社が資金繰りに窮して「危急存亡の秋」にあり、当該取締役らが「様々な対応の最中」であるのに解任するのは不適当であるとの謎の言い訳を行って、経営陣刷新の議案に反対意見を表明。
その言い訳のクセに議決権行使者に対してクオカードを配って議決権行使を呼びかけるなど無茶苦茶な抵抗を試みたが、臨時株主総会の結果、無事に経営陣が交代することとなった。

なお、追い出された経営陣の主要人物らは引き続き、この臨時株主総会の決議が無効であるとの主張をして抵抗している。

 

選者コメント

「法務担当への「ここで契約締結できなった場合の損失について責任が取れるのか」が秀逸です。」(栗 さん)

「経営陣があまりにも見苦しかったから。」(名古屋の長期投資家(なごちょう) さん)


適時開示アワード2022 最終結果