Disclosure Award 2019(適時開示アワード 2019)

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2019年 ノミネート適時開示書類一覧

  1. スペースバリューホールディングス「第三者委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」
  2. ソリトンシステムズ「平成30年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  3. ペッパーフードサービス「業績予想の修正及び配当予想の修正(無配)並びに特別損失の計上に関するお知らせ」
  4. ユニゾホールディングス「ユニゾホールディングス株式会社代表取締役及び全役員並びにグループ会社代表取締役及び全役員異動(辞任)のお知らせ」
  5. レッド・プラネット・ジャパン「子会社の異動を伴う Red Planet Hotels (Thailand) Limited 他5社の株式及び債権の取得、 現物出資のための第三者割当による新株式の発行並びに主要株主である筆頭株主の異動 (予定)に関するお知らせ」
  6. セブン&アイ・ホールディングス「「7pay(セブンペイ)」 サービス廃止のお知らせとこれまでの経緯、今後の対応に関する説明について」
  7. すららネット「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」
  8. LIXILグループ「第 77 回定時株主総会決議の結果および取締役会議長選定についてのお知らせ」
  9. ジャパンディスプレイ「第三者委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ」
  10. RVH「SNS投稿者に対する訴訟の和解に関するお知らせ」
  11. トゥエンティーフォーセブン「業績予想の修正に関するお知らせ」
  12. 平山ホールディングス「第三者委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ」
  13. 平和不動産「社内調査委員会の調査報告書(開示版)公表に関するお知らせ」

ノミネート番号:1

銘柄コード:1448スペースバリューホールディングス
[PDF]「第三者委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ」
「理性のタガが外れた」社長に第三者委員会も呆れ

建設事業を主力とする会社で、工事原価の付け替えや売上の先行計上などの疑義が生じて設置された第三者委員会。
しかし、その報告は調査委員会に匿名の告発状が送り付けられたことから、当初とは思わぬ方向へと展開していく。

大量の黒塗りが散見される調査報告書には、恐怖政治やガバナンス不全など、数々の内情が記されていた。
しかしその中で、もっとも読者の目を引いたのはトップの酒池肉林ぶり。

「代表の女性関係での時間別送受信件数」、「代表が50件以上の送信をした女性をまとめた図」といった、図表のインパクトだった。

Image from Gyazo

代表による会社リソースの私物化が余すことなく記載されたこれらの報告を受け、第三者委員会も「理性の箍が外れているともいい得る夜の課外活動問題、接待交際費等の私的流用問題、東京本社の地下バーなる不適切施設設置問題に加 えて、資産管理会社利益相反取引等問題、他の役員への暴力行為など数多く発見ないし 認識するに至り、経営トップにおいては、規範意識が著しく鈍磨している、公私混同をしていると評価せざるを得なかった」と結論するしかなかった。

ノミネート番号:2

銘柄コード:3040ソリトンシステムズ
[PDF]平成30年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
壮大な決算短信、完璧なオチ

いつの時代も、熟慮と慎重さに欠けた人間が、本気と思えないセリフを発し、そのセリフは何故か光り輝く日の出のように聞こえ、賛同する叫びの渦をもたらします。
ここで思考停止が始まり、何十年もかけて人間が学んだことから一挙に逆戻り、Regressの世を出現させます。

英国のEU脱退、米国のAmerica Firstがその例でしょう。
この事態が企業経営にどの程度のインパクトで現れるか、当社のITセキュリティや映像技術ベースのビジネスには未だ影響は出ていません。

AIや地球スケールの高度なネットワークと情報網、つまり、サイエンスとIT技術が融合して今、人間の存在そのものに、課題を突きつけた人類史上初の時代です。我々は極めてユニークな時に生きていることを強く認識せざるを得ないのです。

このような環境下、当社グループの業績について、売上高は 15,266百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は1,367百万円(前年同期比10.3%減)、経常利益は1,240百万円 (前年同期比23.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 329百万円(前年同期比64.5%減)となりました。

ノミネート番号:3

銘柄コード:3053ペッパーフードサービス
[PDF]業績予想の修正及び配当予想の修正(無配)並びに特別損失の計上に関するお知らせ
いきなり!ブレーキ

走る猛牛を落とす勢いで業績拡大、本場NYも含む攻めすぎの出店攻勢。
いきなり!ステーキ業態を盛り上げたペッパーフードサービスは、いきなり!ブレーキを踏むこととなった。

とはいえ、NYのみならず国内既存店の不振はかなり早い段階から、個人投資家からだけでなく肉マイレージランカー(意味:たくさん食べる人)からも、再三にわたり指摘されていた。

社長の強気姿勢とは裏腹に、出店計画を半減させ、いきなり!ステーキ489店舗のうち、退店を意思決定した44 店舗と、収益性の低下が見込まれる3店舗において減損損失を計上することとなった。

店先では「日本一急成長中の会社で 私達と一緒に夢を叶えましょう!」という求人広告を出しつつも、客にいきなり!ステーキの窮状を訴える「社長からのお願い」が同居し、さらには従業員にも怪文書が配られるなど、飲食チェーンの業績ジェットコースター大喜利を自ら体現していくさまは、SNS 上でも話題となった。

ノミネート番号:4

銘柄コード:3258ユニゾホールディングス
[PDF]ユニゾホールディングス株式会社代表取締役及び全役員並びにグループ会社代表取締役及び全役員異動(辞任)のお知らせ
波乱のTOB合戦は異例のEBOに あれ、経営責任は?

HISが不動産会社ユニゾホールディングス株に対する株式公開買付(TOB)を発表し、これがすぐさま敵対的TOBに発展して話題に。

その後、投資ファンドのフォートレスがホワイトナイトとしてHISに対抗して株価も吊り上がり、HISは売却益を手にして撤退した。

それも束の間、今度は米ブラックストーンも参戦するという、さらなるTOB合戦に発展する中、最終的にユニゾが選択したのは、全ての提案を断って一部の従業員と米投資ファンド・ローンスターが組んで異例のEBO(エンプロイー・バイアウト)を行うと表明。
成立すれば日本の上場会社としては初となる、EBOでの上場廃止事例となるが、ここまでに買付価格も当初の3,100円から5,100円まで上昇している。

そもそも今回のTOB騒動の発端にはHISとの関係だけのみならず、過去の度重なるエクイティファイナンスで当社株式が希薄化、株価低迷したことも一因。
経営陣らは過去に低い価格で増資しておきながら、今回の買収企業らの相対的に高い買付価格には不満を見せる中での異例の幕引き策に、失笑した投資家も少なくなかった。

ノミネート番号:5

銘柄コード:3350レッド・プラネット・ジャパン
[PDF]子会社の異動を伴う Red Planet Hotels (Thailand) Limited 他5社の株式及び債権の取得、 現物出資のための第三者割当による新株式の発行並びに主要株主である筆頭株主の異動 (予定)に関するお知らせ
希薄化82.4%、払込は会長関係先の現物出資

アジアでホテル事業を営む非公開会社「Red Planet Hotels Limited」が運営するタイホテル事業を、日本の子会社であるレッド・プラネット・ジャパンが何故か取得するという適時開示。

一見すると無味無臭の内容だが、中をよーく見ると、そこに待っていたのは82.4%もの希薄化という事実。
しかも払込資本約51億円の全額が、タイ事業の株式や貸付債権などの現物出資だという。

さらに少数株主を苦笑させたのが、買収する会社の株式を過半数取得できないという、新興国でありがちなタイ規制において、残り51%の優先株式はレッド・プラネット・ジャパン会長の親族が持つという謎トレード。

会長ら利害関係者は利益相反の懸念から、取締役会の議決に参加させないといった配慮はあるものの、金融機関からの資金調達が厳しいレベルである当社の財務基盤において、疑問の残る事業拡大策となってノミネート。

ノミネート番号:6

銘柄コード:3382セブン&アイ・ホールディングス
[PDF]「7pay(セブンペイ)」 サービス廃止のお知らせと これまでの経緯、今後の対応に関する説明について
「○○ペイ」ブームに冷水 残念なセブン体質が露呈

令和最初となった2019年の流行語大賞でトップテンに選出された「○○ペイ」。
平成の終わりは、現金バラ巻きでユーザ獲得という何のひねりもない強引さで、資本バイオレンスという名の新風が決済業界を蹂躙していったキャッシュレス元年となった。

そんな、巷の小売店でも決済手段が増えに増え続ける中、独自の決済方法を確立するコンビニチェーンの姿も。
だが、満を辞して登板した最後の大物であるセブン&アイHDの「7pay」は、民衆のキャッシュレスに対する不安を煽る大暴投。

初日からセキュリティ専門家の疑問がSNS を駆け巡り、案の定、翌朝には不正に物品を購入した来日"出し子"団が都内を爆走。

セブンイレブン社長の会見も「二段階認証…?」といった、全IT技術者が涙を流すほどの惨劇。平成から令和に変わっても、大企業のIT部門が如何に変われないのかといった哀しい雲が業界を覆った瞬間であった。

ノミネート番号:7

銘柄コード:3998すららネット
[PDF]財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ
経営管理部門メンバーが一斉に逃げ出す

教育業界からは、学習塾向けに教材を提供する当社がノミネート。
2017年12月上場の当社は、平成30年12月期の内部統制報告書において、「経理実務担当者の退職により、適切な経理・決算業務のために必要かつ十分な知識を有した社内人材が不足していること」を開示する必要に迫られ、本件開示にいたった。

ペライチのPDFには、経営の要ともいうべき経営管理部門人員のほぼ全員とみられる経理実務担当者5名が相次ぎ退職し、急きょ補充要員を採用したものの、引き継ぎようのない惨状で内部統制が崩壊した事実が淡々と記述されている。

開示では「今後3ヶ月以内を目途として採用する予定」とし、その後の決算説明会資料でも経営管理人員を積極採用している姿勢は見せているものの、1部門ほぼ一斉退職という事実に、つい行間を読んでしまう他社の経理担当者も思わず胸が苦しくなってノミネート。

「教育格差を根絶する」をスローガンに掲げる当社も、自社の人材教育は苦手だったようだ。

ノミネート番号:8

銘柄コード:5938LIXILグループ
[PDF]第 77 回定時株主総会決議の結果および取締役会議長選定についてのお知らせ
長引いたお家騒動は異例の株主勝利で決着

2018年の瀬戸CEOの解任から始まった経営混乱も、ついに一応の決着。創業家の潮田氏による解任劇は瀬戸氏を選択する株主の選択で幕を閉じた。

【図解・経済】LIXILグループ内紛の経緯(2019年6月):時事ドットコム

解任の経緯も潮田氏、瀬戸氏ともに食い違い、その不透明さから機関投資家らは疑問を呈していたが、INAX創業家も加わって株主総会で結論が出ることとなった。

結果は株主提案(瀬戸氏側)が僅差で勝利し、瀬戸氏も経営に復帰。
取締役候補について会社側提案が退けられるという、日本では異例の結末となった。

将来は内部者になる予定の会社側寄りの人物が、社外取締役の立場で採決に加わるなどしていた当社の指名委員会など、一見コーポレートガバナンスが機能しているように見えた会社で露呈したガバナンス不全には、会社法の専門家らの視線も注がれた

ノミネート番号:9

銘柄コード:6740ジャパンディスプレイ
[PDF]第三者委員会設置のお知らせ
「国策」と上場のあいだに

相次ぐ下方修正、難航する資金調達―。

毎年、似たような話題を輪廻のように繰り返し続ける運命の国策ディスプレイだが、今年の終わりは思わぬ展開に。

当社は2018年12月に、4年間にわたり合計およそ5.8億円を横領した従業員を懲戒解雇していたことを、なんと1年後の今年にようやく開示。

もはやその消極的な開示姿勢には投資家も驚くことはなかったが、発覚後「直ちに外部の専門家(弁護士及び公認会計士)を含む社内調査委員会を編成し」、「本件不正行為以外の同様の不正行為の有無についても調査を行いましたが、その存在は認められませんでした」としていた。

しかしここから、この元従業員が当時の経営陣から指示を受けて「当社の過年度決算について不適切な会計処理を行っていた」と告発。
この元従業員の在籍期間がちょうど当社の上場時期と重なり、当社も上場直後から業績が芳しくなかったこともあり、単なる横領事件は上場ミステリーへと発展した。

現在もこの「不適切な会計処理」については移行した第三者委員会で査中だが、元従業員は告発とほぼ同タイミングで、遺書もないという不自然な自殺をしたとみられており、ジャパンを冠したディスプレイには、暗闇のみが映し出されるのであった。

ノミネート番号:10

銘柄コード:6786RVH
[PDF]SNS投稿者に対する訴訟の和解に関するお知らせ
SNSアカウントの謝罪文が適時開示に初登場

ついに適時開示アワードにも、「あの」ウルフ村田氏が登場!

平成30年5月24日、RVH について「証券取引等監視委員会の強制捜査が開始された」旨のTwitter 投稿を行った「ウルフ村田こと村田美夏」氏に対して、当社は昨年同月に事実無根と反論。
RVH 側が「法的措置等を含め検討」する意思表示をしていた。

そして実際に「警視庁赤坂警察署に対し、名誉毀損に係る告訴状を提出するとともに、東京地方裁判所に対し、同投稿者を被告として名誉毀損による損害賠償請求及び謝罪文の掲載を求める訴訟を提起」していた当社であったが、2019年1月11日にウルフ氏と和解が成立。

株主でもない個人のTwitter 謝罪文が晒されるという、適時開示史上も前例のないこの開示は、見た個人投資家の心をほっこり和ませるのであった。

ノミネート番号:11

銘柄コード:7074トゥエンティーフォーセブン
[PDF]業績予想の修正に関するお知らせ
過去最速級! 上場直後の下方修正

パーソナルジムを運営する当社は、今年11月に上場。

「たった2ヶ月でスリムな身体と健康を」をセールス文句とする当社が、新たな株主らに見せつけたのは「たった1ヶ月でやせ細った業績」。当期純益3割減の業績予想修正だった。

上場後30日というトップスピード下方修正の理由は、「2019年11月において無料カウンセリング申込件数が計画に対して大幅に減少したため」としているが、当社の公募価格決定日は11/13で、上場日は11/21。

当社にとってあまりに都合の良すぎる下方修正スパンに、個人投資家らも「gumiショックとは何だったのか」と、2019年末のIPOクオリティと、上場審査体制への不審を募らせた。

ノミネート番号:12

銘柄コード:7781平山ホールディングス
[PDF]第三者委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ
売上水増し不正? 謎すぎるその動機

適時開示アワードでは味わい深く、ときに読む人に衝撃を与える第三者委員会報告書が、「名作」としてノミネートされることがしばしばある。ところが本件開示は、そうした期待を持って読み始めると、読者を混沌の世界へと誘う「迷作」であるといえる。

背景としては、2018 年7 月にFUNtoFUN 社(以下、FTF社)の全株式を取得して連結子会社化した当社が、別の大松自動車という会社についても民事再生手続のスポンサーとして全株式を取得して連結子会社化を予定していたところ、トーマツから、FTF 社が大松自動車に対して計上したコンサルティング売上の実在性に係る疑義が呈されたこと等が第三者委員会設置のきっかけ。

本件コンサル取引を主導したと想定され、親会社の立場でFTF社を管理・監督していたM氏は、FTF社が大松自動車の事業再生支援を目的として、日常の経営に関する人材の教育訓練、指導及び育成のための研修や助言等を行うコンサル取引にかかる契約書を、大松自動車の民事再生計画が確定した後に、締結日をバックデートして作成。月額4百万円×10ヵ月分の合計40百万円の売上を、FTF社で計上させた。

FTF社社長は、よく分からないながらも、なんか濡れ手で40百万円売上立つらしいし、親会社のM氏が言うんなら、まあそういうもんだろうと稟議決裁なしで管理本部の売上として計上したところ(推測)、大松自動車との契約も両社を監督するM氏がほぼ単独で主導したもので、そもそもスポンサーからの支援を受けねばならない大松自動車にも40百万円もの支払能力などなく、第三者委員会はコンサル契約が成立したとは「到底言えない」と結論した。

しかしながら、本件の奇妙なところは、M氏がこのような異常な処理を主導した理由について、第三者委員会側は「実行した真意については理解することができなかった」としている点。
これについて、では第三者委員会が結論で忖度したのかというと、確かに内容を読んでいると、純粋に会計をよく分かっていないM氏が、謎の使命感に駆られて暴走しただけのようにも見受けられるのである。

結果として、人材不足から1人で攻めの経営企画と守りの管理部門を兼務させてしまうグループ管理体制の弱さを指摘した第三者委員会は、M氏に対して「少なくとも財務経理業務に関与せず、経営企画などの業務に専任するような処遇を検討するべきである」と指摘。不正の影響額も限定的であった。

ノミネート番号:13

銘柄コード:8803平和不動産
[PDF]社内調査委員会の調査報告書(開示版)公表に関するお知らせ
高待遇の会社で起きた「キックバックあるある」

不動産業でも高待遇とされる当社従業員らが、会社の利益を自らの兼業先などに不正に流出させた疑惑で社内調査委員会が発足。


過去にも当社内で(黒塗り)行為が問題視されて譴責処分を受けていた上席部長のA氏や、次長のB氏らは、当社に無許可で飲食業や不動産コンサル業を運営する個人会社を兼務。

平和不動産側と取引先との間で、介在する必要性の乏しい取引に自らの個人会社を参加させて手数料を受領するなど、「キックバックあるある」ともいえる典型的な手法が当社で横行していたことが、驚きを持って受け止められノミネート。

弁護士や会計士を含めた社内調査委員会は結論にて、不動産ソリューション部において、部長に過度に権限が集中し、当社内にも仲介業者等の起用・監視や工事発注に関する明確なルール・基準が存在していなかった事実などを問題視。
ローテーションの乏しい人事施策や、管理体制の改善などを訴えた。

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